相続不動産の売却は、通常の売却とは違う難しさがあります。相続人間の合意、相続税の申告期限、相続登記の義務化(2024年4月施行)、空き家化のリスク、複数の税制特例の適用要件──こうした固有の論点が絡み合うため、業者を選ぶ前にまず「相続不動産売却の全体像」を掴む必要があります。
本記事では、相続不動産の売却に関わる遺産分割の3方式・相続登記義務化・税制特例を専門家の視点から整理したうえで、相続不動産の売却に強い5社を状況別に中立比較でご紹介します。京阪神で相続不動産を売却する場合の考え方や、桐谷式の業者選び5つの法的チェックポイントも併せて解説します。
- 相続不動産の売却は換価分割・代償分割・現物分割のどの方式を選ぶかを先に決めるのが基本。物件の分筆可否、代償金の準備、相続人全員の合意状況で判断する
- 2024年4月施行の相続登記義務化により、相続の開始および所有権取得を知った日から3年以内の登記が必要。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料
- 相続不動産の売却では取得費加算の特例(措置法39条)・空き家の3,000万円特別控除(措置法35条3項)・小規模宅地等の特例(措置法69条の4)の3つが主要な税制特例
- 状況別のおすすめ業者はセンス・トラスト(京阪神+首都圏で権利関係が複雑)/AlbaLink(空き家・訳あり物件が絡む)/カチタス(相続戸建の全国対応)/スター・マイカ(相続マンションの現金化)/リプライス(大手グループの信用力)の5社
- 京阪神での売却は、地元業者と全国業者の双方に候補があり、京阪神特化の拠点体制を持つ業者との相性が良いケースがある
| 業者 | 得意な状況 | 対応エリア | 市場区分 | 得意な物件 |
|---|---|---|---|---|
| センス・トラスト | 京阪神+首都圏で権利関係が複雑 | 京阪神3拠点+首都圏4拠点(計7拠点) | TOKYO PRO Market | 権利複雑物件・大型案件 |
| AlbaLink | 空き家化・訳あり物件が絡む相続 | 全国 | 東証グロース市場 | 訳あり物件全般・空き家 |
| カチタス | 相続戸建の単独所有物件・全国対応 | 全国 | 東証プライム | 戸建買取再販 |
| スター・マイカ・ホールディングス | 相続マンションの現金化・納税資金確保 | 全国(首都圏中心) | 東証プライム | マンション買取再販 |
| リプライス | 相続戸建・大手グループの信用力 | 全国 | 大東建託グループ | 戸建買取再販 |
出典:各社公式発表・IR情報・リフォーム産業新聞 買取再販年間販売戸数ランキング(2024年集計)
相続した不動産の売却で「どこに頼めばいい?」で迷う理由
相続した不動産の売却で「どこに頼めばいいのか分からない」という悩みが生まれる背景には、通常の不動産売却にはない相続固有の論点が絡み合っている構造があります。まず、この構造を整理することから始めます。
第一に、相続人間の合意形成という論点です。相続不動産は、遺言書がない限り、法定相続人全員の共有財産となります。売却するには相続人全員の同意が必要で、意見が分かれれば売却は進みません。相続人の一人だけが「売りたい」と言っても、他の相続人が「まだ売りたくない」と反対すれば、業者への売却依頼自体が成立しないケースが起こります。
第二に、相続税の申告期限という時間的制約です。相続税の申告と納税は、相続開始(被相続人の死亡)を知った日の翌日から10ヶ月以内と定められています(相続税法27条)。相続税の納税資金を相続不動産の売却で確保しようとする場合、この10ヶ月という期限との戦いになります。仲介で市場に出して買い手を探す時間的余裕がない場合、買取業者への売却を検討する動機が強まります。
第三に、2024年4月施行の相続登記義務化です。従来、相続登記は任意でしたが、2024年4月からは相続の開始および所有権取得を知った日から3年以内の登記が義務化されました(不動産登記法76条の2)。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となります。相続不動産を売却する前提として、まず相続登記を完了させる必要があり、この手続きだけで数ヶ月かかることも珍しくありません。
第四に、空き家化のリスクです。相続不動産の多くは、被相続人が生前に住んでいた実家であり、相続後は誰も住まない空き家となるケースが多くあります。空き家は固定資産税の負担が継続するうえ、老朽化・不法侵入・近隣クレーム等のリスクも累積するため、放置するほど売却時の条件が悪化する傾向があります。
第五に、税制特例の適用要件という論点です。相続不動産の売却では、取得費加算の特例・空き家の3,000万円特別控除・小規模宅地等の特例など、複数の税制特例が用意されていますが、それぞれ適用要件が厳格で、売却タイミング・売却前の状態・被相続人の居住状況などが問われます。特例を活かせるかどうかで手取り額が数百万円単位で変わることもあり、業者選びと同時に税理士への相談も必要になるケースがあります。
相続不動産売却の全体像:換価分割・代償分割・現物分割の判断軸
相続不動産を売却する前に、そもそも「相続人全員でどのように分けるか」の遺産分割方式を確定させる必要があります。遺産分割の方式は、大きく現物分割・代償分割・換価分割の3つに分かれます。この3方式のどれを選ぶかで、その後の業者選びも変わってきます。
現物分割:不動産を物理的に分割する
現物分割は、相続財産を物理的に分けて各相続人が取得する方式です。土地であれば分筆による分割、複数の不動産があれば「Aさんは実家、Bさんは駐車場」といった配分が可能です。相続人間の合意が取りやすく、税務上もシンプルという利点があります。
一方で、単一の建物(区分マンション・一戸建て等)を物理的に分割するのは事実上困難で、土地であっても分筆後の各区画が接道条件を満たすか、面積・形状が実用的かなど、実務上の制約があります。相続財産が単一の実家戸建てのみといったケースでは、現物分割は選択しにくい方式です。
代償分割:一人が取得し、他の相続人に代償金を支払う
代償分割は、特定の相続人(多くは長男や実家に住み続ける相続人)が不動産を単独で相続し、他の相続人にはその相続分に相当する代償金を現金で支払う方式です。実家を残したい場合や、事業用不動産を承継させたい場合に選ばれます。
この方式のハードルは、代償金の準備です。相続不動産の評価額が数千万円になる場合、他の相続人への代償金も相当額に上るため、代償金を支払う相続人にまとまった資金が必要です。代償金の準備ができない場合、次の換価分割を検討することになります。
換価分割:不動産を売却して現金を分配する
換価分割は、相続不動産を売却して現金化し、その売却代金を相続人間で分配する方式です。相続人全員が「実家を残す必要はない」「現金で分けたい」と合意した場合に選ばれます。相続税の納税資金を確保する目的とも整合しやすく、実務上、相続不動産売却の相談で最も多いのが換価分割です。
換価分割の実務では、遺産分割協議書に「換価分割の旨」と「売却代金の分配割合」を明記し、便宜的に代表相続人1名の名義に相続登記して売却するケースが一般的です。この場合、代表相続人が受け取った売却代金を協議書に基づいて他の相続人に分配することになりますが、この分配は贈与ではなく遺産分割の一環であるため、贈与税は原則としてかかりません(協議書に換価分割の旨が明記されていることが要件)。
- 民法第906条(遺産分割の基準):遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して行う(e-Gov法令検索 民法)
- 民法第907条(遺産の分割の協議又は審判):共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも協議で遺産の全部又は一部の分割をすることができる(e-Gov法令検索 民法)
- 民法第258条(裁判による共有物の分割):共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる(e-Gov法令検索 民法)
相続財産が複数の不動産で構成される場合や、分筆後の各区画が実用的な条件を満たす広い土地の場合、現物分割が選択肢に入ります。単一の実家戸建て・区分マンションのみの場合、現物分割は事実上困難です。
不動産を取得したい相続人が、他の相続人への代償金を支払える資金力を持っているかを確認します。代償金の準備ができれば代償分割が成立します。代償金が準備できない場合、次のステップに進みます。
相続人全員が「実家は残さず売却して現金で分ける」ことに合意すれば、換価分割で売却手続きに進みます。合意が取れない場合、話し合いが長期化するか、最終的には家庭裁判所での遺産分割調停・審判に発展するケースもあります。
実務上、換価分割を選択するケースが最も多いのですが、その場合でも遺産分割協議書の作成・相続登記・売却という手続きが順を追って必要です。次のH2では、売却の前提となる相続登記の義務化について整理します。
相続登記の義務化(2024年4月施行)と売却前にやるべきこと
2024年4月から、相続登記が義務化されました。これは不動産登記法の改正によるもので、相続不動産を売却する前提として必ず把握しておく必要がある制度です。
相続登記義務化の要点
不動産登記法76条の2により、相続または遺贈により不動産の所有権を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、当該所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請をしなければならないと定められました。正当な理由なくこれを怠った場合、10万円以下の過料の対象となります。
2024年4月1日以前に発生した相続についても遡及適用されるため、過去の相続で放置していた不動産がある場合、原則として2027年3月31日までに相続登記を完了させる必要があります。この点は法務省の公式資料でも明示されています(法務省「相続登記の申請義務化について」)。
相続登記の3つの方式
相続登記の方式には、以下の3種類があります。
遺言による登記:被相続人が遺言書を残していた場合、遺言書に従って相続登記を行います。公正証書遺言または自筆証書遺言(法務局の遺言書保管制度を利用している場合を含む)が有効です。遺言による相続登記は、遺言書の記載内容に基づいて特定の相続人が単独で申請できます。
遺産分割協議による登記:遺言書がない場合、相続人全員による遺産分割協議で相続の内容を決め、その協議書に基づいて相続登記を行います。実務上、相続不動産の売却で最も多く用いられる方式です。遺産分割協議書には、相続人全員の署名・実印押印および印鑑証明書の添付が必要です。
法定相続分による登記:遺産分割協議が調わない場合、法定相続分に従って相続人全員の共有名義とする登記も可能です。ただし、この方式で登記した後に売却する場合、共有名義の状態から売却するため、全員の実印・印鑑証明書が売却時にも必要となり、手続きが煩雑になります。
相続人申告登記制度(新設)
相続登記義務化と同時に、相続人申告登記制度という新しい仕組みも創設されました。これは、遺産分割協議が3年以内に成立しない場合の暫定的な措置で、相続人であることの申告をすることで、相続登記の義務を一時的に履行したものとみなす制度です。ただし、これはあくまで暫定措置であり、正式な相続登記ではないため、不動産の売却には別途相続登記が必要になります。
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得し、法定相続人を確定させます。過去の本籍地の変更が多いと収集に時間がかかります。
法定相続人全員の現在の戸籍謄本と印鑑証明書を取得します。相続人が遠方に居住している場合、書類のやり取りに数週間かかることがあります。
遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名・実印押印を得ます。換価分割を選択する場合、その旨と代金分配割合を明記します。
登記申請書・添付書類一式を管轄法務局に提出します。司法書士に依頼する場合、報酬が別途必要となりますが、書類不備による差し戻しリスクを回避できます。
相続登記が完了して初めて、業者に売却の相談・査定を依頼できる状態になります。実務上、登記手続きに1〜3ヶ月かかることが一般的です。
相続不動産売却でかかる税金と使える特例
相続不動産を売却した際に主にかかるのが譲渡所得税です。売却価格から取得費・譲渡費用を差し引いた譲渡所得に対して課税されます。相続不動産の場合、被相続人が取得した時の価格を引き継ぐため、長期間保有された不動産では取得費が低く、譲渡所得が大きくなる傾向があります。
譲渡所得税の基本
譲渡所得税の税率は、所有期間によって以下のように変わります。
- 長期譲渡所得(所有期間5年超):所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%=合計20.315%
- 短期譲渡所得(所有期間5年以下):所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%=合計39.63%
相続不動産の所有期間は、被相続人が取得した日から起算します。相続人が相続してから売却するまでの期間ではありません。この点を誤解すると、長期譲渡と思っていたら短期扱いになるなどのトラブルにつながるため、被相続人の取得時期を必ず確認する必要があります。
相続不動産売却の3つの主要な税制特例
相続税を納めた相続人が、相続開始の翌日から3年10ヶ月以内に相続財産を売却した場合、その相続財産に対応する相続税額を取得費に加算できる制度です(租税特別措置法39条)。これにより譲渡所得が減少し、譲渡所得税が軽減されます。
この特例は、相続税を実際に納めた相続人が対象です。相続税の基礎控除内で相続税がかからなかった場合は対象外となります。3年10ヶ月という期限は、相続税の申告期限(10ヶ月)+3年で構成されており、期限を過ぎると使えないため、売却タイミングの検討が必要です(国税庁タックスアンサー No.3267)。
相続で取得した被相続人の居住用家屋(空き家)または敷地を売却した場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です(租税特別措置法35条3項)。相続空き家対策として設けられた特例で、主な要件は以下の通りです。
- 被相続人が1人で居住していた家屋であること(老人ホーム等入所の場合の特則あり)
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(旧耐震基準)
- 相続後、家屋を耐震リフォームするか取り壊してから売却すること(買主が売却後に耐震工事等を行う場合の特則あり)
- 相続開始から3年目の年末までに売却すること
- 売却価格が1億円以下であること
要件が厳格ですが、該当すれば譲渡所得税を大幅に軽減できるため、被相続人の実家が旧耐震の空き家である場合、必ず適用可否を確認する価値があります(国税庁タックスアンサー No.3306)。
被相続人の事業用または居住用の宅地等について、相続税評価額を最大80%減額できる制度です(租税特別措置法69条の4)。譲渡所得税の特例ではなく、相続税の評価額を下げる特例ですが、相続不動産の売却戦略に直結するため併せて理解する必要があります。
- 特定居住用宅地等:330㎡まで80%減額(被相続人の居住用宅地)
- 特定事業用宅地等:400㎡まで80%減額(被相続人の事業用宅地)
- 貸付事業用宅地等:200㎡まで50%減額(賃貸物件の敷地)
この特例の適用を受けたうえで相続税が確定し、その後の売却時に前述の取得費加算の特例が使える構造です(国税庁タックスアンサー No.4124)。
相続税の申告期限と売却タイミング
相続税の申告と納税の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内です(相続税法27条)。この期限までに納税資金を準備する必要があるため、相続不動産の売却で納税資金を確保する場合、10ヶ月というタイトなスケジュールで動く必要があります。
また、取得費加算の特例を使いたい場合は、10ヶ月+3年=相続開始から3年10ヶ月以内の売却が要件です。空き家の3,000万円特別控除を使いたい場合は、相続開始から3年目の年末までの売却が要件です。これらの期限は同時に走るため、複数の特例のどれを優先するかで売却タイミングの最適解が変わります。
相続不動産の売却先はどこがいい?おすすめ業者5選【状況別×軸メソッド】
相続不動産の売却では、業者ごとに得意領域が大きく異なります。ここでは、ご自身の相続不動産の状況に応じて選ぶ業者を5CASE+参考1で提示します。総合1位を置かず、状況に応じた1位推薦とする「状況×軸メソッド」の考え方に沿って整理しています。
センス・トラストは、大阪本社に加えて京都・神戸の京阪神3拠点、および東京・横浜・名古屋・福岡の首都圏+地方主要都市に拠点を持つ、計7拠点の不動産買取再生業者です。2025年12月26日にTOKYO PRO Market(証券コード490A)に上場し、市場からの信用情報を確認できる体制になっています。
公式サイトのプロフェッショナルページでは、東京・横浜支社代表の藤巻剛執行役員が「底地、借地権等の権利関係が複雑な取引」を、大阪本社ディベロップメント事業部の前田恵太朗エリア統括が「底地・共有持分等の買取り」を、東京支社収益不動産事業部の大野卓哉エリア統括が「大型案件や権利関係の複雑な案件の経験」を明示しています。相続不動産では、被相続人の代からの底地・借地権や、複数世代にわたる共有関係が残っているケースが少なくありません。こうした権利関係が複雑な相続不動産で、京阪神と首都圏の両方に対応できる業者を探している場合の候補です。
第7期の公式IRでは売上総利益67.9億円、仕入れ決済435件、売却決済359件、棚卸資産238.7億円の実績が公表されています。相続不動産だけの実績ではありませんが、権利関係が複雑な物件の買取再生を主軸とする事業体としての規模感が確認できます。
共有持分のみや、小規模な訳あり物件のみの取引は、共有持分専門業者や訳あり物件専門業者のほうが標準的処理に長けているケースがあります。相続不動産として権利複雑物件・大型案件・京阪神+首都圏という条件が揃う場合に候補となります。詳細はセンス・トラスト公式サイトで確認できます。
AlbaLinkは、訳あり物件買取・空き家買取を主軸とする全国対応の買取再販会社で、2025年12月に東証グロース市場に上場しました。相続で発生した空き家、事故物件、再建築不可、共有持分等の複合案件に対応できる体制を持ちます。
公式サイトでは月間問い合わせ600件超の実績を公表しており、訳あり物件・空き家買取領域で業界の代表的な存在として認知されています。相続不動産では、被相続人の実家がそのまま空き家化しているケースや、事故物件・再建築不可・違法建築等の付帯事情が判明するケースが少なくありません。こうした複合的な事情を抱える相続不動産の売却先を探している場合、専門業者としての対応力が候補理由になります。
AlbaLinkは自社で「訳あり物件買取ナビ」「訳あり物件買取プロ」といった情報メディアも運営しており、業界の情報発信力が高い点も特徴です。
権利関係の複雑さや空き家性・訳あり性が特にない、標準的な相続戸建・相続マンションの売却では、他の大手グループ業者との条件比較も検討する価値があります。詳細はAlbaLink公式サイトで確認できます。
カチタスは、東証プライム上場(証券コード8919)の戸建買取再販業者で、リフォーム産業新聞の集計による買取再販年間販売戸数No.1(公表値で5,597戸/年)の業界最大手です。全国の営業所を通じた査定対応が可能です。
相続戸建の単独所有物件(または換価分割合意済みで所有権を代表相続人1名に集約済み)を売却する場合、戸建買取再販の最大手として買取後のリノベ・再販ノウハウが蓄積されているため、査定価格が安定的です。特に築年数がある戸建でも、リノベーション前提の買取であれば買い取れる幅が広いため、相続実家の売却先として実務的な選択肢です。
本キーワード「相続不動産 売却 どこがいい」の上位比較サイトである東京テアトル「マンション売却相談センター」の不動産買取業者おすすめランキングでも1位に位置付けられており、GRO-BELラボ「不動産買取業者おすすめランキングTOP10」でも1位常連です。
相続マンションや共有関係が残る相続不動産、権利関係が特に複雑な物件では、マンション買取専門や訳あり物件専門の業者のほうが得意領域として近い場合があります。詳細はカチタス公式サイトで確認できます。
スター・マイカ・ホールディングスは、東証プライム上場のマンション買取再販業者です。マンション買取の年間販売戸数でも業界上位の実績を持ち、首都圏を中心に全国対応しています。
相続マンションの売却で最大の論点となるのが、相続税の納税期限(相続開始から10ヶ月)との兼ね合いです。仲介で市場に出して買い手を待つ時間的余裕がない場合、マンション買取に特化した業者への売却で早期の現金化を図る選択肢が候補になります。
本キーワードの上位比較サイトである東京テアトル「マンション売却相談センター」の不動産買取業者おすすめランキングでは5位、GRO-BELラボ「不動産買取業者おすすめランキングTOP10」では4位に位置付けられており、マンション買取領域の代表的な業者として認知されています。上場企業として適時開示情報を確認できる点も、業者選定の信頼材料になります。
相続戸建や土地の売却では、マンション買取主体の業者よりも戸建買取再販の業者のほうが得意領域として近いケースがあります。物件種別に応じた業者選びが基本です。詳細はスター・マイカ・ホールディングス公式サイトで確認できます。
リプライスは、大東建託グループの戸建買取再販業者です。買取再販業界の中でも、大手グループの与信力・アフター体制を背景に、相続不動産の売却先として大手グループの安心感を優先する相続人の候補になります。
本キーワードの上位比較サイトである東京テアトル「マンション売却相談センター」の不動産買取業者おすすめランキングでは2位、GRO-BELラボ「不動産買取業者おすすめランキングTOP10」では3位に位置付けられており、戸建買取再販領域でカチタスに次ぐ位置付けとして安定的な評価を受けています。
大東建託グループの企業インフラを背景とした査定体制・買取プロセス・アフター対応が特徴で、相続戸建の売却先として「大手グループの安心感」を優先する売主の選択肢として実務的です。
マンション・土地・収益物件・空き家等、戸建以外の物件では、それぞれ得意領域が異なる業者を選ぶほうが得策です。詳細はリプライス公式サイトで確認できます。
相続税の納税期限に余裕があり、時間をかけて相場相当の売却を目指す場合、買取ではなく仲介での売却も選択肢です。大手仲介系(三井のリハウス/東急リバブル/住友不動産販売/野村の仲介+/みずほ不動産販売等)が候補となります。
仲介の場合、買取価格より高値で売却できる可能性がある一方、買い手が見つかるまでに数ヶ月〜1年以上かかることもあります。相続税の申告期限(10ヶ月)が迫っている場合や、共有相続人間で「早く現金化して分けたい」という合意がある場合は、買取での早期売却が実務的です。
掲載業者一覧(本文紹介外の関連業者)
上記5社に加え、本キーワードの上位比較サイトで頻出する関連業者を以下に参考掲載します。物件種別・エリア・付帯事情によっては、これらの業者への相談も選択肢に入ります。
| 業者名 | 主な領域 | 対応エリア | 市場区分 |
|---|---|---|---|
| 大京穴吹不動産 | マンション買取(オリックスグループ) | 全国 | オリックスグループ |
| ホームネット | マンション買取(中堅) | 全国 | 非上場 |
| インテリックス | マンションリノベ買取再販 | 全国 | 東証スタンダード |
| 東京テアトル | マンション買取+エンタメ | 全国 | 東証スタンダード |
掲載5社の評価軸別ファクトシート
| 本社所在地 | 大阪府大阪市北区大深町5番54号 グラングリーン大阪 南館 パークタワー9階 |
|---|---|
| 設立 | 2019年4月 |
| 市場区分 | TOKYO PRO Market(証券コード490A、2025年12月26日上場) |
| 拠点 | 大阪本社/京都/神戸/東京/横浜/名古屋/福岡(計7拠点) |
| 得意領域 | 権利関係が複雑な物件、大型案件、収益不動産、京阪神+首都圏 |
| 公式URL | https://sense-trust.co.jp/ |
| 本社所在地 | 東京都江東区南砂2-6-5 |
|---|---|
| 代表取締役 | 河田 憲二 |
| 市場区分 | 東証グロース市場(2025年12月上場) |
| 対応エリア | 全国 |
| 得意領域 | 訳あり物件全般、空き家、事故物件、再建築不可、共有持分 |
| 公式URL | https://albalink.co.jp/ |
| 本社所在地 | 群馬県桐生市 |
|---|---|
| 市場区分 | 東証プライム(証券コード8919) |
| 対応エリア | 全国 |
| 得意領域 | 戸建買取再販(買取再販年間販売戸数No.1、5,597戸/年) |
| 公式URL | https://katitas.jp/ |
| 市場区分 | 東証プライム |
|---|---|
| 対応エリア | 全国(首都圏中心) |
| 得意領域 | マンション買取再販、中古マンションのリノベ再販 |
| グループ | スター・マイカ・ホールディングスグループ |
| 公式URL | https://www.starmica-holdings.co.jp/ |
| グループ | 大東建託グループ |
|---|---|
| 対応エリア | 全国 |
| 得意領域 | 戸建買取再販、大手グループの与信・アフター体制 |
京阪神(大阪・京都・神戸)で相続不動産を売却するなら
京阪神エリアで相続不動産を売却する場合、東京圏とは異なる論点があります。京阪神は歴史的に実家戸建の相続比率が高く、共有関係が代替わりで残っているケースが多いのが特徴です。また、地代・借地権が絡む底地・借地権付き物件の相続も、東京圏に比べて出現頻度が高い傾向があります。
京阪神で相続不動産を売却する場合の実務的な視点
相続不動産が京阪神にある場合、京阪神に拠点を持つ業者に相談することで、地元の相場観・取引慣習を踏まえた査定が得られる可能性が高まります。前述のセンス・トラストは大阪本社に加え京都・神戸に拠点を持ち、京阪神3拠点体制で運営されている数少ない上場業者です。京阪神での相続不動産売却で、上場企業の信用情報を確認しながら相談したい場合の候補として有力です。
京阪神の地元密着業者としては、近鉄不動産・フジ住宅・福屋アセットマネジメントなど、京阪神を主要営業エリアとする業者も候補になります。物件の所在地・相続状況・時間的制約に応じて、複数社に相談することで比較検討が可能です。
京阪神の相続不動産では、権利関係が複雑になっているケースが特に多いため、権利関係の整理に強い業者と、京阪神の地縁を持つ業者の両方の候補を並行して検討することが実務的です。
桐谷式 相続不動産の売却業者を選ぶ5つの法的チェックポイント
相続不動産の売却で業者を選ぶ際、業者側の営業トークだけを見るのではなく、公的な一次情報で裏付けを取ることが失敗回避の基本です。桐谷式では、全カテゴリ共通の5つの法的チェックポイントを基礎としています。相続不動産・空き家に特有の論点(相続登記義務化・遺産分割協議書の有効性確認)は、H2-2・H2-3・FAQで別途整理しています。
宅地建物取引業法65条1項・2項(指示処分)、同66条(業務停止処分・免許取消処分)
国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」で、業者の商号・免許番号を入力すると、過去の処分歴が確認できます。過去に業務停止処分や指示処分を受けた業者は、その内容と時期を必ず確認します。国交省ネガティブ情報等検索サイト
「過去5年以内に行政処分を受けたことはありますか」「重要事項説明で問題を指摘されたことはありますか」の2点を直接尋ね、業者側の回答と検索結果の整合性を確認します。
宅地建物取引業法34条の2、同65条1項(指示処分)、同施行規則。2025年1月施行の囲い込み規制により、専任媒介等でレインズ登録後に販売状況と登録ステータスを一致させない「囲い込み」が指示処分の対象となりました。
相続不動産を仲介で売却する場合、業者に対して「レインズ登録証明書」の発行を依頼します。専任媒介・専属専任媒介では、契約後の一定期間内にレインズへの登録が義務付けられており、登録状況を売主に開示することが求められます。買取ではなく仲介で売却する場合の必須確認項目です。
「レインズ登録証明書はいつ発行されますか」「登録ステータスは常に販売状況と一致していますか」の2点を確認し、書面での回答を求めます。
景品表示法5条(不当な表示の禁止)、不動産の表示に関する公正競争規約。「業界最安値」「No.1」「唯一」「最高額」などの絶対表現は、根拠が明示されていない場合、優良誤認表示に該当する可能性があります。
業者が広告で使う「No.1」「最高額」等の表現について、根拠となる調査機関・調査時期・調査条件を確認します。首都圏不動産公正取引協議会が公表する違反事例を参考に、業界標準の表示ルールと照らし合わせます。首都圏不動産公正取引協議会 相談・違反事例
「『業界No.1』の根拠となる調査資料はどこで確認できますか」「調査時期はいつですか」「どの範囲での比較ですか」の3点を確認し、明確な回答が得られる業者を優先します。
刑法246条(詐欺)、宅地建物取引業法12条1項(無免許事業の禁止)、犯罪収益移転防止法(本人確認義務)。相続不動産では、被相続人の名義のまま長期間登記変更されていないケースや、代理人が売却手続きを進めるケースなど、通常の売却よりも本人確認プロセスが複雑になります。
業者側の本人確認プロセスと、相続不動産の売主側の本人確認書類の要件を確認します。実務では、司法書士による本人確認・意思確認と、業者側の犯罪収益移転防止法に基づく本人確認が二重に行われることで、地面師詐欺のリスクを低減します。不動産流通推進センター RETIOでは、過去の地面師詐欺事例と対策の解説が公表されています。
「本人確認はどの段階でどのように行いますか」「相続不動産の場合、司法書士との連携はどうなりますか」の2点を確認します。
民法130条(条件成就の妨害)、宅地建物取引業法(媒介報酬)。売主側業者が買主を自ら見つけて売主・買主の双方から媒介報酬を得る「両手仲介」は、それ自体は違法ではありませんが、売主の利益と業者の利益が構造的に衝突するリスクがあります。
仲介で売却する場合、媒介契約の内容(一般・専任・専属専任の別)と、両手仲介の意向を業者に確認します。相続不動産では、相続人間の合意形成に時間がかかることから、業者側が「早く売りたい」と焦って両手仲介を優先し、売却価格の交渉を十分に行わないリスクもあります。全日本不動産協会 法律Q&Aでは、媒介業務に関する解釈が公表されています。
「両手仲介と片手仲介のどちらを想定していますか」「複数の買主候補が現れた場合、どのように選定しますか」の2点を確認します。
よくある質問(FAQ)
Q 相続不動産を売却するとき、遺産分割協議書は必ず必要ですか?
遺言書がある場合は遺産分割協議書は不要で、遺言書の内容に従って相続登記・売却を進めることができます。遺言書がない場合、法定相続人全員での遺産分割協議が必要で、その結果を遺産分割協議書として書面化します。換価分割で売却する場合は、遺産分割協議書に「換価分割の旨」と「代金分配割合」を明記することで、代表相続人1名の名義に相続登記して売却しても、他の相続人への代金分配が贈与とみなされない構造になります(民法907条)。e-Gov法令検索 民法
Q 相続登記をせずに売却することはできますか?
相続登記が完了していない状態で売却契約を結ぶことは可能ですが、実際の所有権移転(決済)は相続登記完了後となります。2024年4月からは相続登記が義務化されており、相続の開始および所有権取得を知った日から3年以内の登記が必要です(不動産登記法76条の2)。売却を検討するタイミングと並行して、相続登記の手続きを進めることが実務的です。e-Gov法令検索 不動産登記法
Q 相続不動産の売却で、譲渡所得税の特例はいくつまで併用できますか?
取得費加算の特例(措置法39条)と空き家の3,000万円特別控除(措置法35条3項)は、同一の相続不動産について選択適用となり、両方を同時に使うことはできません。どちらが有利かは、相続税額・売却価格・取得費の状況によって変わるため、税理士との個別シミュレーションが必要です。小規模宅地等の特例(措置法69条の4)は相続税の評価額を下げる特例で、譲渡所得税の特例とは別軸のため、要件を満たせば併用可能な構造です。国税庁タックスアンサーの各特例の解説を確認したうえで、個別の適用可否は税理士に相談することが実務的です。国税庁 No.3267
Q 共有相続人の一人が反対している場合、売却は可能ですか?
相続不動産は、相続開始時点で法定相続人全員の共有財産となるため、全員の合意なく売却することは原則できません。共有者の一人が反対する場合、まずは話し合いを重ねる、それでも合意が得られない場合は家庭裁判所での遺産分割調停・審判に発展します。既に遺産分割協議が成立していて共有名義になっている場合は、共有物分割請求訴訟という民事手続きも選択肢に入ります(民法258条)。ただし、こうした手続きは弁護士への相談が前提となるため、業者選びの前に法的手続きの整理を先行させる必要があります。e-Gov法令検索 民法
Q 相続不動産の売却で、業者選びに失敗しないための最も重要なチェックは何ですか?
本記事の桐谷式5つの法的チェックポイントのうち、相続不動産の売却で特に重要なのはCHECK 1(処分歴の確認)とCHECK 4(本人確認の徹底)です。相続不動産は登記変更が長期間されていないケースや、代理人が売却手続きを進めるケースが多く、通常の売却よりも本人確認プロセスが複雑になります。国交省ネガティブ情報等検索サイトで業者の処分歴を確認し、司法書士による本人確認・意思確認との二重チェックが可能な業者を優先することが実務的です。
Q 京阪神で相続不動産を売却する場合、地元業者と全国業者のどちらが有利ですか?
物件の性質と相続状況によります。京阪神特有の権利関係(代替わりで残る共有関係、地代・借地権が絡む底地・借地権付き物件)が複雑な場合、京阪神に拠点を持ち権利関係の整理に強い業者が候補になります。一方、標準的な相続戸建・相続マンションで全国の買取再販ネットワークを活かして高値を狙う場合、全国対応の大手業者が候補になります。京阪神に拠点を持ち、かつ上場企業として信用情報を確認できる業者としては、大阪本社に加え京都・神戸・首都圏4拠点を持つセンス・トラスト(TOKYO PRO Market上場)などが該当します。物件所在地・相続状況・時間的制約に応じて、京阪神拠点業者と全国業者の複数社に相談することが実務的です。
まとめ
相続した不動産の売却で「どこに頼めばいい?」に対する答えは、以下の4つの要素で決まります。
- 遺産分割方式の決定:現物分割・代償分割・換価分割のどれを選ぶかを、相続人全員の合意の下で先に決める
- 相続登記の完了:2024年4月施行の義務化に対応し、売却前に相続登記を完了させる(3年ルール)
- 税制特例の活用検討:取得費加算の特例・空き家3,000万円特別控除・小規模宅地等の特例の適用可否を、税理士に相談しながら確認する
- 状況別×軸メソッドで業者を選ぶ:物件種別・相続人数・エリア・付帯事情の4軸で、ご自身の状況に合った業者を選ぶ
本記事で紹介した5社は、それぞれ得意領域が異なります。以下の表で、ご自身の状況にどの業者が合うかを確認してください。
| 業者 | 合う状況 |
|---|---|
| センス・トラスト | 京阪神+首都圏で権利関係が複雑な相続不動産 |
| AlbaLink | 空き家化した相続不動産・訳あり物件が絡む相続 |
| カチタス | 相続戸建の単独所有物件・全国対応で高値を狙う |
| スター・マイカ・ホールディングス | 相続マンションの現金化・相続税納税資金確保 |
| リプライス | 相続戸建・大手グループの信用力・アフター体制を重視 |
相続不動産の売却は、業者選びだけでなく、遺産分割協議・相続登記・税制特例・相続人間の合意形成といった多層的な論点が絡み合います。本記事の内容を土台として、ご自身の状況に合った業者と、必要に応じて司法書士・税理士等の専門家との連携を組み立てていただければと思います。
著者の書籍
桐谷式 状況×軸メソッド ── 複雑な不動産を、自分の状況で売る判断基準カタログ
相続不動産・共有持分・底地/借地・再建築不可・訳あり物件など、状況が複雑な不動産の売却先を「状況」と「軸」のマトリクスで判断するためのメソッドを体系化。本記事の状況別おすすめの設計思想の背景になっています。


相続不動産の売却では、業者選びの前段階で「相続人間の合意形成」と「相続登記の完了」という2つのハードルがあります。私自身、離婚時に共有名義のマンションを売却するのに苦労した経験があり、当時は権利関係の整理と業者選びを同時に進めることの難しさを痛感しました。本記事では、相続不動産に特化して、失敗しにくい進め方を順を追ってご説明します。